それでも僕はハゲてない。
僕は、多分ほかの人より
"おでこが広い"。
多分というより確実に。
自分がコンプレックスというか別に卑屈に思っていなくても
他の人と違う身体的な特徴があると、比較してすごく観察してしまう。
それは僕だけではないはずだ。
思春期の頃は、
"まじか。老け顔でさらにハゲ始めた、ワッサ。"
ってなることがしばしばあって
台風や風の強い日とか自転車で坂道を気持ちよく降りることができなかった。
友達にも"隠れデコひろ"が結構いて、決まって喫煙所では"デコひろクラスター"同士で
経過観察をしていたのは良き思い出だ。
とりあえず自分のおでこと誠実に向き合ってきたつもりだ。
なんならアレルギーで背中に蕁麻疹が出て皮膚科行った時に若干ボケ気味の老医だったから
"…これはシメたっ!"
と思い
"あ、あとちょっとおでこが広がってる気がするんすけどー…"
ってフランクに診察してもらったりしてるからね。
なんか今思えば、わけわかんない哺乳瓶みたいな形をした塗りの処方薬渡されて
"もし気になるならAGAの診療受ける?"
みたいなこと言われてたけど、そもそもハゲじゃねーわ。
けどそんな僕がこの商品を愛用して
"人生が変わりました!"
的なことを示したいわけじゃない。
そもそも"おでこが広い"ってどういうことなのか。
≒頭がデカい
ということだ。
この世界的な小顔至上主義の中で、このような形状で産み落としてくれた両親には
とても感謝している。
幼少期のころの写真を見ても、かなりデカい。
自分で言うのもなんだが、ヴィレッジバンガードとか雑貨屋さんに売っているキーホルダーにできそうなくらいのひょうきんなかわいさだと思う。
(※参照画像は、推定3歳。SDガンダムシリーズに並べておいても違和感がない仕上がり。 )
そもそも、おでこの種類にもいろいろあるらしい。
男性/女性
東洋/西洋
などの違いで、丸かったり四角かったり、出っ張っていたり平らだったり…
ちなみにいろいろ調べていく中で、やはり僕はハゲていないということが判明した。
しかしそれと同時にかなりおでこが広い、そして単純に四角く出っ張っていて直線的であることがわかった。
一応美大を卒業して制作会社をやっている身から、かなり上手ぶって形容すると、
"アールデコ"
の持ち主であった。
【art déco】1910年代から30年代にかけて,パリを中心に西欧で栄えた装飾様式。 それ以前のアール-ヌーボーが曲線を主とするのに対し,現代都市生活に適した実用的で単純・直線的なデザインを特徴とする。 1925年様式ともいう。
美術に見聞がある人からすると少しかっこよく聞こえるけど
僕の"アールデコ"は、実生活では困る事ばかりだ。
小さい頃から人より頭をぶつける回数が多かったり、カツラじゃないのに突風が怖い。
テーマパークにいってカワイイ被り物を被っていくみたいなリア充たちの流れが恐ろしい。
逆にデコひろだからといって特にヘディングが上手いというわけでもないし、
良いことなんて今まで1つもなかった。
けれど街中で10分だけ、いやほんの5分だけで良いから少し立ち止まって、行き交う人を観察してみてほしい。
美人な人だってかっこいい人だって、いろいろな特徴があるはずだ。
目が大きかったり足が長かったり、その特徴が美とされている時代なだけなのかもしれない。
観察してみると身体的特徴がない人なんていない。
多様化する世の中だからそんなに気にしていないけどポジティブに考えれば
おでこが広い頭が大きい人向けのビジネスができるかもしれないし、はたまた
おでこの広さを競う競技がオリンピック種目になるかもしれない。
なにより飲みの場でネタになりそうなことが1つでも多い方が人生しあわせなはずだ。
とりあえずこれ以上、おでこが広くならないように頭皮マッサージでもしようかな。
(ハゲてないけどな。)
このおでこの話じゃないけど、ひと昔前に話題になった"自分の顔"にまつわる
化粧品DOVEのコンセプトムービー。
なんて感動的なんだ、おでこシリーズがあったら出たいよ…