ゲイと幾何学模様

不安定に見えても完成されていること。

それを意図的に形成できるようになりたい。

 

 

新宿に引っ越してから約1ヶ月が経った。

 

「東洋一の歓楽街」

と評されるだけのことあってパワーがある。

池袋の近くで育った僕からすると、新宿はポケモンで言うタマムシシティみたいなとこだ。

 

タマムシシティ(wikipediaより)

カントー地方の中央部に位置する大都市。ヤマブキシティに次ぐカントー地方を代表する大都会で、カントー地方商業娯楽の中心地。町のシンボルカラーは玉虫色)。デパートやゲームコーナーなど施設が充実している。都市規模に比例して、日中からロケット団が堂々と街中を歩いていたり、町のベトベターが出没したりと、治安環境はあまり良くない様子。

 

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実際いま住んでいるのは、三丁目と二丁目の境目で世界堂から1分くらいのとこなので

歌舞伎町から少し離れてるし、そんなにうるさくないかなって思っていた。

そもそもなぜ新宿を選んだかというと、

今年で25歳になる僕は自分のことが若者なのか大人なのかわからない。

自負ではなく年齢の割に、いろんな仕事したり海外にもそれなりにいったりうんこ何回かもらしたり、とにかく色々それなりに経験して生きてきた気でいて、常に全力で何かに挑戦をしては失敗と反省を繰り返しまた次の機会までに成長できるようにしているつもりだった。

いま微妙な年齢だからこそ、どんな経験を積むのかが今後の自分にとても影響すると感じた。

だから毎日いろんなところに行き、いろんな人に会うことを仕事にしていた。

だけれどそれでも刺激が足りなくて、一番自分が大嫌いな新宿に住んでみることにした。

作家性を上げるためにも今の年齢じゃないと住まないだろう街にすこし無理してでも

そこで生きて、勉強しようと思っていた。

 

 

しかし現実は甘くなかった。

10階建てのビルの8階に住んでいるんだけど、角部屋でそのベランダの真下がゲイバー街。

ベランダからタバコを吸いながら通りを見下げると、

アイアムザレジェンドの日没後に毎日出てきたクリーチャーばりに

少し傷んだ碁石みたいな坊主アタマの兄貴たちがウヨウヨ出勤していらっしゃる。

そしてそのあと

夜20時くらいから深夜2時くらいが第一部。

深夜4時半くらいから朝8時くらいまでが第二部。

といった具合で

エレクトリックゲイパレード

が毎日開演している。

要すると眠れない日々が続いている。

 

 

パレードと称したのは、

お店の中だけじゃなくてその前まで出てきて、みんなアガってる場合はそこで飲み出しちゃったりするからだ。

そしてカラオケ。

2日に1度誰かの誕生日なのかお店の周年なのか、はたまたマヤ文明が崩壊してるのか知らんが

ハッピーバースデーの歌が響き渡っている。

もう同性愛者という時点で自分とは感覚がちがうので、

なぜそのスパンなのかとか細かいことを考えるのは不毛だと諦めた。

そしてお店によっては簡単なバンドセットを持っているみたいで、まじでパレードしてるみたいにうるさい時がある。特に週末はすごい。

さらにお客さんが帰る時にドア越しまで挨拶するっぽくて

明日も良い日になーれ☆

とか

もう、夢の中でも他の店に浮気しちゃダメだぞ ♩

って挨拶をお客さんが帰るたびにレスラー中西学みたいなツラの兄さんたちが

一生懸命ハイトーンボイスをひねり出している。

 

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僕にとっては、ある意味ナショジオで特集組めるくらい異質な場所だ。

耳栓しないとうるさくて眠れないくらいだけど、すこしずつ慣れてきた。

近くのローソンに行くと祝い用の花が売っていたりおつまみがまとめ売りされていたり、

バッツンバッツンの網タイツのおじさんいたりするくらいだけど、すこしずつ慣れてきた。

引っ越してきてから毎日のように僕の脳内ポケモンスナップで高得点を叩き出している方々は一般的には「LGBT」というらしい。

 

LGBT(朝日新聞掲載)

性的少数者の総称。レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル両性愛)、トランスジェンター(心と体の性が一致しない人)の英語の頭文字に由来する。レインボーフラッグはその象徴で、性的な多様性を示す。

最近Facebookのプロフ画像がみんなレインボーになったり、LGBTは容認されてきている。

僕はいまのところ淫◯ティディベアではなく、女性が好きだ。

 

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ここですごく繊細で難しいのが

>僕はいまのところ淫◯ティディベアではなく、「普通に」女性が好きだ。

などの言葉を使ってしまいがちだ。普通や通常、健康的になどの言葉を使った時点で

LGBTに対する差別に繋がりかねない。

 

 

でも正直、いま僕はその言葉を使いそうになっていた。

「普通に」が口癖という問題もあるけど、ここに引っ越してくるまでこんなに考えたことがなかった。

一般的な感覚とすこし違うだけで、特別な存在として見られている人々が暮らして居る。

けれど1ヶ月で最も感じたのはその人たちはとても素敵だということ。

自分たちの価値観の中で毎日楽しそうだし、人生をエンジョイしているように見える。

ノンケな僕だからその輪に入ることはできないけれど、そっちの世界はすごくハッピーで充実していそうで羨ましい。

もちろん時には後ろ指さされることがあるだろうけど…

 

 

この話は、趣味や人生観に通じている。

例えば僕は昔から日本のHIPHOPがすごく好きでそれ以外の音楽はあまり得意じゃない。

そして、同じ趣味の人は少なくて共感できる仲間も希少だ。

だからこそ一緒に好きなラッパーの話をできる友達はすごく大切だし、とても楽しく時間を過ごせる。

周りの人の中ではHIPHOP自体がダサいとか、特に日本語はもっと聞けない的な空気感は

たまにあるけど僕は気にしていない。

LGBTの人たちにとっても同じような感覚はあるのだと思う。

日本語ラップもそうだけれどそこに情熱を持った人々が集まってシーンができて、

それがカルチャーになっていくのかな。

 

新しいモノや普遍的じゃない価値観って、不安定に見えるけど実際に触れてみると安定しているものなんだと感じた。

あくまでも体感的な話だが、なにより幸せそうだし

生まれ変わっても同じモノを持って生まれてくることを願っている人も多い。

 

 

 

多様化する世の中と言われるだけあって、僕らは幾何学模様のように

隣り合わせで同じような形をしているけど、実は向きや色が違う。

けれど自分と似ている形や色の人もすごく近いところに存在している気がする。

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フォーカスして考えてしまうと自分に無い価値観だったりで、

すこし不安定にみえるけど偶然、一歩下がったらすごく素敵なことって多いよね。

まだ1ヶ月だけど、これからの新宿ライフもより色々なものに触れられるように頑張ろ。

 

 

 

 

 

幾何学模様見ていて思い出したけど、最近みた中で1番好きな映像貼っておく。


LEON - Leon 2033 - (Clip Officiel HD) - YouTube

 

 

不安定に見えても完成されていること。

それを意図的に形成できるようになりたい。